ご報告と御礼が遅くなりましたが、3周年記念楼蘭朗読会は
9月11日(火)、昼夜ともに定員を上回るお客様においで頂き、無事
終了することができました。(本当はハラハラ続きでしたが…)
昼の部は、いつもの中国茶専門店楼蘭から札幌市資料館に会場を移して
の開催。
通常より25分拡大の2時間15分という長い時間、冷房のない会場で
耳を傾けてくださったお客様、本当にありがとうございました。
つくづく思ったのは、人の輪と和のありがたさです。
朗読会のお客様に奏者や詩吟の師範がいらっしゃることからご協力頂き、
スタッフと朗読者を合わせると、関係者は15人以上。
この1週間、何度も同録したものを聞き返していましたが、私達の朗読は
会場で耳を傾けてくださるお客様と、サポートメンバーのパワーを頂いて
作品になるのだということを、改めて実感しました。
毎月新しい作品を一つずつ読むというチャレンジを決めた3年前の初心に
立ち返り、作品探しも練習ももっと真剣にと肝に銘じたところです。
昼の部の会場、札幌市資料館でのステージを振り返ってみます。
〈第1部〉
二胡のトリオ演奏で華やかにオープニング、レギュラメンバー4人の
ごあいさつ。
(1)最初の作品は、芥川龍之介の「杜子春」。
導入は、李強の中国語朗読。それを山口が日本語で受けて語り、
杜子春とあらすじナレーションは宇都宮、仙人と中盤の語りは五十嵐、
閻魔大王のセリフとエンディングの語りを山口と、レギュラーメンバー
4人で朗読。
二胡演奏と効果音も入れて、朗読というよりはラジオドラマに近い形に
なりました。
音響は、宇都宮と山口がSTV時代お世話になった技術のOBの方に
担当して頂きました。
(2)おとぎ話「桃太郎」を芥川龍之介がパロディ化した作品を宇都宮が
朗読。篠笛の演奏が雰囲気を盛り上げてくれました。
(3)楼蘭朗読会の特徴の一つは李強による漢詩の中国語朗読です。
今回は詩吟でも味わって頂くのが聞かせどころでした。
中国の二大詩人李白と杜甫の作品(「静夜思」「春望」)を吟じて
下さった詩吟の師範お二人は、いずれも楼蘭朗読会の常連のお客様。
伸びやかな声で、始めて詩吟を聞かれた方にも大好評でした。
休憩時間には、二胡友の3人の演奏がお客様をリフレッシュ。
〈第2部〉 会場を暗くし、かがり火を灯して中国の怪談話を二つ。
(1)小泉八雲の「大鐘の霊」では、二胡奏者が演奏と効果音の両方を
担当、凄みのある五十嵐の読みにマッチして無気味さが増し……。
(2)「聊斎志異(りょうさいしい)」から『連瑣(れんさ)』を山口が
朗読。篠笛が異界のイメージを創出。
17歳で死んだ連瑣は幽鬼となって荒野の墓に暮らす境遇を嘆いて
いたが、ある時、この世にある才子・楊との交流が始まり、
愛の力で生き返るという話。
冷房のない会場でしたが、少しは涼しくなっていただけたかも・・・。
昼の部の会場、札幌市資料館は大正15年に札幌控訴院として建てられた
後、高等裁判所に。昭和48から資料館として活用されていますが、
平成9年、国の有形文化財に選ばれた歴史的建造物です。
重厚な部屋の雰囲気がムードを盛り上げてくれましたが、館の職員の方々
も会場設営を手伝ってくださるなどのご配慮を頂き、心に残る会となり
ました。ありがとうございました。
夜の部はいつもと同じ楼蘭での開催でしたが、初めてのお客様もたくさん
お越し下さいました。少々窮屈な思いを我慢して聞いて頂き、
ありがとうございました。
たくさんのご感想や作品のリクエストもお寄せ頂き、感謝しております。
今後とも、楼蘭朗読会をよろしくお願いいたします。